遊びながら、知能を育む:知育玩具、LaQで遊んだときの子どもへの影響を、脳科学の見地から検証しました。
私たち人類は20万年もの歳月をかけ、五感をフル活用し文明と子孫を育んできました。そのなかで子供たちも五感をバランス良く活動させることで倫理観や情緒観等の人間的感情を育んできました。ただ最近の急速なIT化の波は、視覚刺激を中心に従来の人間の営みとは次元の違う脳の情報処理を人に要求していることが、最近の脳の研究から明らかになっています。昨今の様々な社会問題も技術の進歩に人間の身体的適応が追いついていない一側面ではないでしょうか。このような観点からわたしたちは「子供の遊び」の現代的意味を再定義し、子どもの生活環境を見直すことが今まさに必要であると考えています。
LaQ(ラキュー)は、子どもたちの脳の発育を促進させます。これは、形、色を記憶する場所である側頭連合野、空間位置に関係している頭頂連合野や指や協調運動に関係している小脳や運動野などの発達を育むのです。さらに、LaQ遊びによって形、色の情報を前頭前野に情報を送り、ここでないものを組み合わせ創造し、手順、意思決定しているのです。私は、LaQで遊んでいる子どもたちの脳の動きを調べた結果からも、右脳および左脳ともに神経ネットワークが活発化していることを確認しました。LaQは、脳の発達には理想的な遊びの一つであり推奨できるものです。できれば、親子で会話をしながら遊ぶことが親子の絆も強まり理想的です。
LaQ(ラキュー)で遊ぶことにより、直感脳?無意識脳といわれる右脳で、想像力、表現力、色彩感覚を。言語脳?意識脳といわれる左脳で、集中力、数学的思考、論理的思考をそれぞれ身につけられる効果があります。左の写真は、小学二年生の男の子、安静時の脳の状態(上)とLaQで遊んでいる時の脳の状態(下)を時系列順に比較、赤い色のところが脳が最も活動している部分です。LaQで遊んでいる時は、安静時に比べて右脳左脳から脳全体がバランス良く活発に活動している様子が観察されました。
日本大学Webサイト(http://www.nihon-u.ac.jp)
私があのパズルを最初やったとき、最初につくったのは閉じた図形。ほんとうにそれがつくれるかどうかを試してみたかった。三角形のパーツと120゜折り曲げるパーツとがあったから、直感的にできそうだなと思った。LaQのおもしろさは、単純な形をした7種類のもので、いろいろな構造物が組み立てられること。思い通りに形の作れる気持ちよさと、構造的につくれないものに対しての自分自身の工夫と、手先?指先と想像力を駆使しながらの時間から広がっていく世界において、子どもたちの頭の中にはたくさんの「気付き」「発見」が生まれます。気づいたことや発見したものは、頭の中でつながっていき、知恵となって形になります。つまり数学を頭だけではなく手と体でしっかり体験しているのです。
埼玉県飯能市にある自由の森学園中学校?高等学校にあるユニークな部活動「骨部」。動物の骨格研究からその生態系までを研究するクラブ活動です。今回はその骨部の部員たちがLaQを使ったヘラジカの骨格標本にチャレンジしました。LaQでは実際の骨格に忠実な立体を作ることだけではなく、複雑な曲線を描く角の再現まで可能としました。今度はもっと大きな標本制作にチャレンジしてくれる?そうです。
自由の森学園(http://www.jiyunomori.ac.jp)